第65回日本音声言語医学会総会・学術講演会

ご挨拶

 このたび第65回日本音声言語医学会を担当させていただくこととなりました。大変名誉であるとともにその重責に身が引き締まる思いでいます。このような機会をくださいました学会役員ならびに会員の皆様に御礼を申し上げます。
 学会のテーマを「音声・言語・聴覚医学の融和をめざして」としました。私自身の専門は耳全般です。その一つである聴覚医学に関わっていくと必ず言語医学に詳しくなっていきます。また、その出力としての音声につながっていきます。聴覚障害を診る上で言語障害、構音障害の知識が必須です。
 特別プログラムは以下の4つを企画しました。初日の午前中は、発達障害によるコミュニケーション障害を当事者視点から東京大学先端科学技術研究センターの綾屋紗月さんにご講演をお願いしています。解説は広島県立病院の益田慎先生がされます。午後は内転型痙攣性発声障害の病態に迫るというセッション名で、中枢、末梢神経の視点から討論する予定です。もうひとつは、歌唱における声区研究に、発声の物理、声門流、喉頭筋の運動の観点から切り込んで頂きます。二日目の午前中は学会の言語発達委員会でここ数年取り組んでいる、dysarthriaについて総括いたします。各論、臨床での具体的な考え方は午後に予定しておりますポストコングレスセミナー2で取り上げています。ポストコングレスセミナーのもう一題は幼児吃音臨床ガイドラインの解説です。市民公開講座は吃音症の理解と支援をテーマとしています。
 今回の学会は2020年10月10日(土曜日)、11日(日曜日)に行うことにしました。会場は福岡でなく、名古屋のウインクあいちです。同年10月8日(木曜日)、9日(金曜日)に名古屋大学の曾根三千彦教授を会長として、第65回日本聴覚医学会がウインクあいちで開催されます。会場もほぼ同じ構成で4日間行えるように曾根教授と相談、工夫しております。日本音声言語医学会と日本聴覚医学会とは回数が示すように双方とも歴史がある学会でありますが、学会の体制も異なりますので、今回のみの試みとはなります。言語聴覚士や教育関係者、音響学などを始めとする関連する分野の先生達との連携に重きをおいて、連続開催という会期を企画・設定いたしました。
 大切なお知らせがあります。このたびの学会は新型コロナウイルス感染への対策のため、開催形式を変更いたしました。詳細はHP内に記していますので、要点のみ、お伝えします。今回は現地開催に加えて、後日、準備したのち、一カ月の期間、インターネットで配信するハイブリッド形式とします。発表はすべて第一、第二の大きめの2会場のみに絞りました。十分なスペースを確保できるように、中継会場をそれぞれに二つずつ、発表会場を含めて、計6会場用意します。特別プログラム、一般演題とも現地参加できない先生方には事前に発表内容の録画を依頼、当日はweb参加で討論や質疑に参加頂けるようにいたします。インターネット配信はオンデマンド方式とします。事前登録された先生方に限定し視聴できます。パスワードで管理し、ダウンロードできないようにセキュリティ対策します。今回は特別の対応となりましたが、通常と異なり、利点があります。会場に来られなくても、また別の会場の発表も、オンデマンド配信によって、後日、ご都合の良い時間に視聴することができます。このメリットを鑑み、学会終了後も一定の時期まで参加登録できるようにいたします。ポストコングレスセミナーも同様にオンデマンド配信いたします。また市民公開講座はYoutubeにアップする予定です。
 感染拡大防止のため、残念ですが、会員懇親会は中止とさせていただきます。
 今後、さらに感染拡大が生じた場合は、インターネット上でのみ学術講演会を開催します。配信の期間については後日、決定いたします。9月上旬を目処にハイブリッド形式にするか、インターネットのみにするか、判断したいと考えております。
 新型コロナウイルス感染を心配することなく、かつ感染を懸念される先生方、勤務先より出張・集会の参加を禁じられている先生方も参加頂ける学会といたしました。参加登録の方法につきましては、改めて、このHPに掲載する予定です。是非とも多数の先生方の参加登録をお待ちしております。よろしくお願いいたします。

第65回日本音声言語医学会総会・学術講演会 会長
中川 尚志(九州大学大学院医学研究院 耳鼻咽喉科学分野)

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